●用語解説 「器物召喚魔法」 「Bullet Butlers」の舞台となる世界・ゴルトロックに存在する魔法のひとつ。 あらかじめ儀式を行い契約した器物を、『algiz』と一言唱えるだけで、手元に召喚することが出来る。 ゴルトロックでは既に世界一般に定着しており、作中でもこれで魔法の杖、銃弾、対戦車ライフル、剣など、主に普段から持ち歩くとかさばりそうな消耗品などの召喚に使われている。 ゴルトロックの魔法の中でも特に簡易な部類に入るのか、この魔法は魔法使いの資格取得者でなくとも修行さえすれば、魔法の才能が特に欠けたものでない限り、たいていの者は習得可能なようである。(妖さんより) |
・呪法結界解除(curkon rage) | ヴァレリア・フォースターなど |
防御結界や幽閉結界などの結界を解除する際に唱えられる、解除式の最終キーとなる呪文。 ただしこれ一つでお手軽にどんな結界でも解除できるわけではなく、それまでにこの呪文の術者が 解除対象となる結界の術式を解読し、その結界に適合する解除式を構築するというプロセスが必要となる。 その性質上、術者の力量によって成否が左右される魔法である。(妖さんより) |
・汝の躯はゴーレムの躯(youb Gol bod) | ヴァレリア・フォースターなど |
ゴルトロックで行使される、魔法使いたちの魔法の一つ。分類は付与魔法(エンチャント)に属する。 術をかける対象の耐久力を、魔法によって向上させるもの。 魔法の効き目は術者の力量に左右され、ヴァレリアが最高硬度に設定してかけたものなら 人体にマグナム弾の直撃に耐えうるレベルの防御力を与えることもできる。 障壁魔法と同じく、詠唱の最後に『重装加工(bul ov)』と付け加えることでさらに魔法を強化可能。(妖さんより) |
・幻影鏡よ、幻身を顕現せよ(ror lect ake dypear) | ヴァレリア・フォースターなど |
ゴルトロックで行使される、魔法使いたちの魔法の一つ。 施術の際に触れていたものを、実態のある幻影として具現化させる魔法で、作り出した幻影は その映し出された『本物』と同じような思考を元に行動する。また、術者による大まかな行動の制御も可能。 ただし、この魔法は短時間しかもたない上にその耐久力にも限度があり、それを超えるダメージを受けると 幻影は壊れて消えてしまう。この魔法でダイヤの幻影を生み出しても、耐久力まではごまかせないということ。(妖さんより) |
・猛き焔よ、爆ぜ、砕け(lame bur clan) | ヴァレリア・フォースターなど |
ゴルトロックで行使される、魔法使いたちの使う破壊魔法の一つ。中級破壊魔法の基礎に位置する。 詠唱とともに大きな火の玉を目標に撃ち込み、着弾と同時に周囲に爆風と炎を撒き散らす。 その破壊力は兵器に換算すると、おおよそ手榴弾三個分に相当しており、魔銃“火焔の魔銃”(ディル・ワー・クラン)は この魔法を弾丸に付与して発射している。 この詠唱の最後に『極大(max)』と付け加えることで、より威力も範囲も文字通り極大化させた爆発魔法となる。 その威力は、体調10mサイズのレギオンの群れを爆風で薙ぎ倒すほど。 ただしそれに比例して負担や反動も大きくなるため、それに耐えうるだけの術者のレベルを要求される。(妖さんより) |
・風針(wieed) | ヴァレリア・フォースターなど |
ゴルトロックで行使される、魔法使いたちの使う初歩級の破壊魔法の一つ。 詠唱とともに、真空の刃を発生させて対象を切り裂く。 規模や破壊力そのものは大きなものではなく、それと気づくような大きな音も派手な風も発生しないが、 その高い静粛性や切れ味から、乱戦時などの不意討ちにはもってこいの魔法である。 作中セルマルート終盤においても、フォルテンマイヤー邸に進入したシドの私兵が屋敷を爆破しようとした際、 ヴァレリアはこの魔法で、起爆装置に手をかけた兵士の腕を『本人にも気づかれることなく』斬り落としている。 (妖さんより) |
・我が躯は鳥の如く(dir d litwing) | ヴァレリア・フォースターなど |
ゴルトロックで行使される、魔法使いたちの魔法の一つで、空を飛ぶ魔法。 自分の杖に魔法をかけ、それに乗って飛ぶ形となる。 ゴルトロックにおいては杖に跨って飛ぶのが一般的なスタイルだが、杖の上に立って飛ぶ者もいる。 また余談ではあるが、この魔法で杖の後ろに客を乗せて飛ぶタクシーの営業も、アーク・メリアでは行われている。(妖さんより) |
・濃霧による遮断(Thife) | FBIの魔法官など |
ゴルトロックで行使される、魔法使いたちの魔法の一つ。 濃霧による煙幕を展開する魔法であり、あらゆる物理光学的な視界を妨害するが、 魔法による視界の確保に対しては『見る者』と『隠す者』、双方の魔法の力量次第で妨害の成否が決まる。 作品冒頭の聖導評議会との戦いで、ベイルの“グール”発動をFBIに見せたくないリックが アッシュに頼んで、その姿を覆い隠してもらう際に使われた。(妖さんより) |
・障壁、反射構成(shig refcom) | エルネスタ・ディートリッヒ |
世界最高クラスの魔法使い“九人の大魔法使い(ナイン・ハイウォーロックス)”の一人にして ヴァレリアの師匠である、エルネスタ・ディートリッヒが使用。 『障壁よ、敵の手より防衛せよ』の上位互換種と思われる、高等魔法の一つ。 光の障壁を目の前に張り巡らすという点は『障壁よ、敵の手より防衛せよ』とほぼ同じなのだが、 この防御魔法は『受け止める』のではなく、敵の攻撃をそっくりそのまま無減衰で跳ね返してしまうというもの。 作中セルマルートでも、通常の障壁ではとても受けきれない『火焔の魔銃』三挺による 炎の魔弾の一斉射撃をあっさりと射手へ反射し、返り討ちにしてのけた。(妖さんより) |
・鎖よ/その強大な力によって/全てを縛れ(weg/comtical/dirdoom) | エルネスタ・ディートリッヒ |
ゴルトロックの魔法の中でも最高等級に位置する、封印指定を受けた大魔法の一つ。 詠唱とともに天地から無数の血の色をした巨大な鎖が出現し、術の対象をがんじがらめに拘束してしまう。 術の内容だけならレイスの『八戒蛇鎖』と似たようなものだが、規模、鎖の耐久力、拘束力、霊格、術者に要求される負担の いずれもケタ違いの代物である。この魔法で召喚される鎖は『天と地を繋ぎとめる鎖の模造品』とも、 かつて“不死の王(ノーライフキング)”との戦いで“不死の王”さえ拘束したとも言われる伝説の存在であり、 あらゆる存在に対して有効な代わりに、そのあまりの霊格の高さゆえに他の魔法のように圧縮言語では詠唱できない。 作中セルマルート終盤において、身長30m級の巨大竜に変身し、オセロットシティを破壊し続けるシドに対して エルネスタが『最強の一撃』を叩き込む隙を作り出すために使用したが、彼女の力量をもってしても封印された魔法を 無理やり行使した反動は耐え難く、術の発動直後に吐血を余儀なくされた。 なお、下記の詠唱表記内の『竜』の部分は、魔法をかける対象によってそれに適した内容に置き換わる。 「――いにしえの契約において、エルネスタ・ディートリッヒが命ずる。 ――我に猛る竜を鎮める鎖を与えたまえ。それは鋼であって鋼でなく、糸であって糸でなく、この世にあってこの世になく、 堅牢であって堅牢でなく、柔軟であって柔軟でなく――されど! その鎖はちぎれず壊れず錆びぬものであるべし! 天と地を繋ぐ鎖のように! 雪嵐の巨狼(ベルムレイガ)を縛った鎖のように! weg/comtical/dirdoom(鎖よ/その強大な力によって/全てを縛れ)!」(妖さんより) |
・雷槍グラル | エルネスタ・ディートリッヒ |
封印指定を受けた大魔法の一つ。 ゴルトロックの魔法の中でも最高等級に数えられるひとつであり、 エルネスタの扱える破壊魔法の中でも最強クラスに位置すると思われる『とっておき』。 詠唱とともに空に巨大な雷雲を垂れ込めさせ、そこから落ちてきた巨大な雷を掴み取って一本の槍の形に圧縮し、敵に投げつける。 この魔法も、例によって他の魔法のような圧縮詠唱による簡略化が不可能であり、規模も破壊力も、他の魔法とは一線を画す。 それ故にやはり消耗度合いも半端ではなく(ヴァレリアに唱えさせた場合、詠唱途中で魔力消耗に耐え切れず失神するレベル)、 エルネスタでさえ、直前の鎖の召喚の消耗とあいまって、意識を保てなくなるほど心身を疲弊させた。 作中セルマルート終盤のシドとの戦いにおいて、魔法の鎖で動きを封じたシドに対して、とどめとしてエルネスタが直撃させて 大打撃を与えるも、仕留めるには至らなかった。この魔法をシドが耐え抜いたのは、“古の竜”の姿であったことやエルネスタ側の 大魔法連発による消耗を差し引いても、なお驚異的なことだとされている。 「雷王ガレドゥム! 我が望むは天の意志による天の鉄槌、天の煮えたぎる怒り、天の荘厳たる奇跡なり! ――我が敵を殲滅する為、貴公が武器、雷槍グラルを与えたまえ!」(妖さんより) |
・汝は永劫の篝火、永劫の灯火、業火にして大蛇なり(yoete fila onda) | エルネスタ・ディートリッヒなど |
ゴルトロックで行使される、魔法使いたちの使う破壊魔法の一つ。 詠唱とともに炎の帯を次から次へと生み出し、間断なく相手に向けて広範囲に連射する。 その炎は掠っただけで火ぶくれができそうな熱さ。また、若干ながら追尾性も備えており、螺旋を描きながら敵を追う。 あやかしびととのクロスオーバー作品『クロノベルト』において、氷鷹一奈(=イチナ)の居場所を聞き出そうとする 九鬼耀鋼との戦闘で使われたが、炎の軌道が渦巻状になっていることを見抜いた九鬼にその中央を突破され、 至近距離から手刀による当身を打ち込まれて敗北した。(妖さんより) |
・奴隷の月(abd-qamar) | コゼット・レングランス |
フォルテンマイヤー家に紆余曲折を経て復職した訳有りのメイド、コゼットが戦闘で使用する。発音は「アブド・カマル」。 技の名と同じキーワードを唱えることで、彼女の得物であるチャクラムを召喚することができる。 チャクラムを投擲した後でも、さらに追加召喚可能。その際の呼称は判明しているだけで 四枚目(アルバア)、五枚目(ハムサ)、六枚目(スィッタ)、七枚目(サプア)、八枚目(サマーニャ)、九枚目(ティスア)など。 原理としてはこれも器物召喚魔法とほぼ理屈は同じと見られるが、コゼットはこれをラドリースの古代遺跡の バーサーカーの記憶から身につけたため、ゴルトロック一般のそれとは少し形式が異なるようである。 また、後のあやかしびととのクロスオーバー作品「クロノベルト」の作中ではこれが武器召喚であることを応用し、 鱗が硬くて外傷をつけられなかったドラゴンの口の中に手を突っ込んだままでこの魔法を発動し、柔らかい体の内側から ドラゴンを殺傷するのにも使われた。(妖さんより) |
・六枚投擲(スィッタ・アル・ラミ) | コゼット・レングランス |
コゼットの“奴隷の月”の応用技のひとつ。 通常は両手に各一枚ずつ召喚するチャクラムを各三枚、計六枚同時に召喚し、敵に向かって一斉に投擲する。 チャクラムはそれぞれが不規則な軌道を描きつつ飛ぶため、枚数とあいまってその対処を難しくしている。 小説版、および、あやかしびととのクロスオーバー作品「クロノベルト」の作中で使用。(妖さんより) |
・奴隷の大月輪(abd-mgqamar) | コゼット・レングランス |
コゼットの“奴隷の月”系列の技のひとつ。 両手に通常のものとは違う特大サイズのチャクラムを召喚し、相手に向けて投擲する。 これは相手を『斬る』のではなく『拘束』することを目的としたものであり、 目標がチャクラムの輪の中に入った瞬間即座に縮小し、その部位を締め上げることで相手の動きを阻害する。 小説版の2巻において、全身鎧タイプの魔法兵器“ガーゴイル”との戦闘で使用された。(妖さんより) |
・氷槍(cicran) | 聖導評議会信徒など |
ゴルトロックで行使される、魔法使いたちの使う破壊魔法の一つ。 詠唱とともに氷の槍を数本生み出し、それを撃ち出して敵を貫く。 あやかしびととのクロスオーバー作品『クロノベルト』において、イチナを救出しにきた雲外鏡・鏡に対し 聖導評議会信徒の一人が使用したが、鏡の符術によって防がれ、無効化された。(妖さんより) |
・“巨人腕” | ブレイド・レイ・シャドウフィールド |
八英雄の末裔の一角・シャドウフィールド家の現継承者ブレイドが、プライマル・スタイル発動中に使う技の一つ。 自分の腕に影をかき集めて纏わせ、それによって作り出した巨大な影の腕で格闘戦を行うというもの。 その技の性質上、巨大サイズの敵との格闘戦に有効ではあるが、その反面、細かい急所を狙うのには向いていない。 作中小説版2巻において、ゾンビ化した上に空を泳ぎ陸上を這う30mの超々巨大ザメ『メガロドン』2体と戦う際に使われた。(妖さんより) |
・“影領(シャドウフィールド)” | ブレイド・レイ・シャドウフィールド |
シャドウフィールド家に伝わる“原初の姿”の真骨頂。 自分の意識を“複数に分割して”操る影に分け与え、その意識を宿らせた影を『自分の分身として実体化させる』という荒業。 これによって作り出された影分身はその分割思考により、『それそれが独自の判断で』本体のように活動できる。 始祖であるジル・レ・シャドウフィールドは最大で13体の影を同時に操ったとされるが、この技を『苦手』とぼやいているブレイドは 最大で7体までの同時操作が限界(しかも後で確実に休める保障が必要)である。 もともとこの技はニヴェンに住む人間(忍者?)の技だったそうだが、それをシャドウフィールド家が “原初の姿”で再現し、一族の奥の手としたものと思われる。小説版2巻のメガロドンとの戦いでは これで3体の分身を作り出し、本体と合わせ4人がかりでメガロドンの急所を貫き、撃破した。(妖さんより) |
・機能“悪鬼喰”(システム“グール”) | ベイル・ハウター |
主人公であるハーフエルフの執事、リック・アロースミスの持つ意思ある魔銃“黒禍の口笛(ベイル・ハウター)”の必殺技。 ベイルを扱う契約者を発動時に黒く染め上げてその魂を削り、銃弾にベイルの『素材』である死の神・ノーライフキングの死の魔力の篭った黒い雷を纏わせて強化し、発射する。 その弾丸は通常時に比べて大幅に性能が向上しており、その破壊力は6台重ねで並べられたトレーラーのコンテナ(防御魔法による強化済み)に、車2台が並んで通れるほどの風穴を開け、またその弾丸に込められた『死』属性の魔力により、弾丸及びそのエネルギーの余波に触れた者の生命力を削り取り、並大抵の防御魔法ならあっさりと貫通する。最大射程も1km強まで伸びている。 ただしぶつかった相手に純然たるエネルギー総量で上回られた場合は、押しとどめられてしまうことも。 なお意思を持っているとはいえベイルはあくまで拳銃に過ぎないので、発動には彼のトリガーを引く契約者が必要である。 またベイルたち“朽ち果てし神の戦器(エメス・トラブラム)”のシステムは発動の際に、より多くの魂を削り取るために契約者の精神に干渉し、暴走させようとする性質がある。(妖さんより) |
・機能“狂犬刃”(システム“カットスロート”) | ベイル・ハウター |
おそらく単体では作中最強の攻撃力を誇るであろう、ベイル・ハウター最大の切り札。 削り取った契約者の魂を代償に、ベイルの体を銃の姿から巨大な処刑刀の姿に変形させ、死の魔力を纏ったその刀身で相手を叩き斬る。 形態が剣の姿になった為攻撃範囲は狭くなったが、破壊力及び魔力密度は“グール”より遥かに高く、同じ処刑刀形態に変化したエメス・トラブラム以外では受け止めることも出来ず両断される。 ただしその攻撃力に比例して、魂及び体力の消耗も非常に大きい。 ベイル・ハウターをはじめとする、死の神ノーライフキングの肉体を材料に創られた呪いの武具“朽ち果てし神の戦器(エメス・トラブラム)”の中でも、不死の王を殺してのけた魔剣を模した能力ゆえに、エメス・トラブラムのシステム中でも最大の禁忌となっており、通常はエメス・トラブラムの記憶にもロックがかかっており、簡単には発動できなくなっている。 作中でも彼らが作られてからの2000年の内、このシステムの封印解除に至ったのはベイルとリック、そしてベイルと対になる魔銃ルダとその契約者アルフレッドだけである。 (妖さんより) |
・機能“聖瓶光”(システム“アクエリアス”) | ルダ・グレフィンド |
ベイルと対になるエメス・トラブラムの魔銃、ルダ・グレフィンドの必殺技。 ベイルの“グール”のように契約者の魂を削り、それを糧にノーライフキングの魔力を付与させた弾丸を撃ち出す。 ベイルと対になる存在だけに破壊力も射程距離も全て“グール”と互角だが、その魔力の色はベイルとは対照的に白であり、契約者の体も、発動する際には白く染まる。(妖さんより) |
・機能“幻想剣”(システム“ファンタズム”) | ルダ・グレフィンド |
ベイルの“カットスロート”と対を成す、ルダ・グレフィンド最大の攻撃能力。 ベイルと同じく契約者の魂と体力を糧に、白銀の巨大な処刑刀に姿を変え、その魔力を帯びた長大な刃で、この世のあらゆるものを叩き斬る。 作中においてもベイルと並び単体では最強の攻撃力を誇り、“カットスロート”と切り結べる同一にして唯一の技。 ルダとアルフレッドの放った“アクエリアス”を斬り払ってのけたベイルの“カットスロート”を目の当たりにし、それに対抗すべく自分の記憶を検索しなおしたルダが、セルマルート最終戦で封印解除し、発動させた。 この作品の後に出されたあやかしびととのクロスオーバー作品「クロノベルト」の作中では、生まれかけの不完全な世界『混沌都市』において、世界の法則の権化たる存在『クロノベルト』の帯すら切り裂いてのけた。 (妖さんより) |
・区域幽閉/白靄隔絶(くいきゆうへい/はくあいかくぜつ) | レイス |
レイスの扱う兇術のひとつ。 任意の区域一帯(恐らくキロメートル単位)を覆い尽くす、視覚阻害および人払いの効力のある濃霧結界を展開する。 この霧を出入りしようとする者は、その度に霧の魔力によって認識を狂わされ(例えば霧の中に出入りする目的があった場合、 そこへの行き方や行く理由を一時的に忘却させられたり)、知らず知らずのうちに霧から遠ざかる、または出ないように仕向けられる。 また、その区域内は魔法による遠見は無効化される。普通の望遠鏡類なら見ることは不可能ではないが、当然、霧はかかったままである。 普段から人通りの絶えない大通りを完全に封鎖してしまうほどその効力は強く、そのレベルは一般の魔法でいうなら 一等級の魔法使いのそれに匹敵し、また術式の組成そのものが魔法とは違うため、兇術に通じた者でない限り解除は非常に困難。(妖さんより) |
・君命恭順―思考常態(くんめいきょうじゅん―しこうじょうたい) | レイス |
レイスの扱う兇術のひとつ。 抜き取った自分の肋骨に呪いをかけて作った骨釘を、相手の首筋に突き立てた後に口訣を唱え、呪いをかける。 この術をかけられた者は、『思考能力は普段のままで』、体だけが術者の命令に忠実に従う生きた操り人形にされてしまう。 また、言われた命令を遂行したら、次の命令があるまでは喋る以外のいかなる行動も取れない。 意志が肉体のコントロールから切り離されるため、命令を都合のいいように曲解することも不可能。 自分の意に沿わない行為を強制させられるため、術にかかった者にとっては生き地獄以外の何者でもない。 術を解く方法は術者の死亡以外にないが、レイス自身が不死の体質を持っているため、解除は困難を通り越してほぼ不可能に近い。 作中では雪ルートで、雪の父親であるガラを傀儡にして雪と殺し合わせるために使われた。(妖さんより) |
・邪法|八戒蛇鎖(じゃほう|はっかいじゃさ) | レイス |
レイスが殺人者に身を堕とす直前に身につけていた、 ニヴェン国に裏で伝わる、一般の魔法とは違う体系の呪術『兇術』のひとつ。 右手で手刀を作って上から下に降ろし、次にその手の人差し指と中指を斜め上に上げ、そして手刀に戻した手を 右から左へ動かすという形で手で呪いの印を切り、最後に呪法の名前を唱えると、相手の周囲に突如鎖が数本出現し、 相手の全身をがんじがらめに拘束してしまうというもの。 作中でもリックの動きを一度は完全に封じたものの、魔銃であるベイルの銃剣で無理やり切り裂かれ、解除された。(妖さんより) |
・空歩き(スカイウォーク) | レイス |
2000年前に不死の王を討ち倒した八英雄の一角たる人間族の英雄・スカイウォーカー家に代々受け継がれてきた秘蹟のひとつであり、スカイウォーカー家の家名の語源。 一族の次期継承者でありながら自分の人生の理不尽さに絶望し、一族を皆殺しにしたレイスに、英雄の力として継承されたもののひとつ。 読んで字の如く、何もない空中を地面でもあるかのように移動できるというもの。 牧歌的な名前とは裏腹に全力疾走した時のスピードは非常に速く、こと空中での接近戦においては機動性で魔法使いの飛翔魔法や翼を持つ竜を上回る。(妖さんより) |
・霊魂強奪:製魂付与(れいこんごうだつ:せいこんふよ) | レイス |
レイスの扱う兇術のひとつ。聖水を己の憎悪を込めて汚し尽くした呪水(カースド・ウォーター)を使い、 死体にそれを飲ませてゾンビ化させ、操るというもの。 ゾンビには理性や配慮や状況判断能力と呼べるものはなく、ただ『主から与えられた命令を機械的にこなす』ことしかできない。 ただし、その範囲内であるなら銃器の操作ぐらいは可能。また、頭を破壊されるまでは動ける限り動き、人を襲う。 ゴルトロック一般の魔法にも禁止魔法として同系統の魔法があるが、例によって術の組み方そのものは別物である。 (妖さんより) |
・“随意扉(Anywhere Door)” | レビスタル・シェラ |
レンズ型の“朽ち果てし神の戦器(エメス・トラブラム)”である“惨劇の水晶体(レビスタル・シェラ)”の発動する能力。 レンズである自分の体を“空間と空間を繋ぐ扉”と化し、そのレンズを潜ったものを、契約者の任意の空間へ移動させる。 主な使い方はこの能力を利用した遠距離移動や拉致などであるが、契約者である聖導評議会の幹部・マグダラは この能力を戦闘にも応用し、相手の死角からの不意討ちや射程外からの攻撃に多用している。 『あやかしびと』とのクロスオーバー作品『クロノベルト』作中ではこの能力でイチナを誘拐し、雲外鏡・鏡を毒塗りナイフで刺し、 ナイフの不意討ちを読んだ九鬼耀鋼との戦闘でも、九鬼へのラッシュ中にこれを織り交ぜ、九鬼を大いに苦戦させた。 また、マグダラはこのレビスタル・シェラの能力で脳や臓器などといった自分の体の重要器官を “常に聖導評議会本部にある培養槽に避難させており”、これによってマグダラは自分の体を 常人ではありえないほど強化改造し、なおかつ『活動させている体』が幾度破壊されても 何度でも新しい体でまた活動できる仕組みになっている。(妖さんより) |
・“独裁装置(dictator Switch)” | レビスタル・シェラ |
“惨劇の水晶体(レビスタル・シェラ)”の発動する、攻撃用の能力。 レンズである自分の体の『ふち』を鮫の歯のような刃状に変化させ、契約者がそれを投擲し、 ある一定距離まで飛んだところで回転鋸の如く高速で回転し始め、正確に目標を追尾し、追い詰めて切り裂く。 その切れ味は、同じエメス・トラブラム中でも元々『剣』として作られたベイルやルダの銃剣には劣るものの、 レビスタル・シェラ自身が自在に体の大きさを変化できることもあり、ビル一軒を両断するぐらいはやってのける。 (なお余談だが、これと“随意扉”は“某22世紀の青いネコ型ロボットのひみつ道具”がネーミングの元ネタのようである)(妖さんより) |
・“幻影創製(クリエイト・イリュージョン)” | レビスタル・シェラ |
“惨劇の水晶体(レビスタル・シェラ)”の発動する能力のひとつ。 契約者と寸分たがわぬ“複製の体”を作り出すことができる。 ただこれが幻影鏡の魔法やシャドウフィールドの“影領”と違う点は、『分身』や『幻影』ではなく『複製の体』であるため、 破壊された際に『そこに死体が残る』という点である(それでも気づかれないうちに回収しているようだが)。 小説版の2巻でアーネストに心臓を貫かれた際や、『クロノベルト』の作中で九鬼やレギオンに殺された際も、 マグダラはこれで“蜥蜴の尻尾切り”のように生き延びたものと思われる。 “随意扉”と並び、マグダラの不老不死のカラクリを支える重要な能力である。(妖さんより) |
・凍らせ、薙ぎ払え雪嵐の巨狼よ(fre epe ard win belmrayga) | ヴァレリア・フォースター、エルネスタ・ディートリッヒ |
ゴルトロックで行使される魔法の中でも、一等級を超える位階『高等級(ハイ・ディグリ)』に属する破壊魔法。 伝説の神獣“雪嵐の巨狼(ベルムレイガ)”の力を借り、狙った部位に爆発的な猛吹雪を叩きつける。 作中の雪ルートにて、レイスに操られたガラの攻撃から雪を救うために、ヴァレリアがガラに使用した。 「ol・co VA・F or(古の契約により、ヴァレリア・フォースターが命ずる)―― fre epe ard win belmrayga(凍らせ、薙ぎ払え、雪嵐の巨狼よ)!」(妖さんより) |
・障壁よ、敵の手より防衛せよ(shig nea dn) | ヴァレリア・フォースター、エルネスタ・ディートリッヒなど |
ゴルトロックで行使される、魔法使い達の魔法の一つ。 光の障壁を目の前に張り巡らし、物理的な攻撃を遮断する防御魔法。 耐久力や展開範囲は術者の力量やアレンジによって変化する。 ただしその耐久力には限度があり、過度の攻撃を受け続けると徐々に障壁にひび割れが走り、最後には割れて砕ける。 また、詠唱の最後に『重装加工(bul ov)』と付け加えることにより、展開する障壁を多重構造にしたりすることや、 基本である『物理防御』以外の性質を付与することもできる。 作中でヴァレリアが、セルマを対戦車ライフル型魔銃“雷鋸(ブレドロア)”の狙撃から守るために使用した際は、 四枚重ねで展開した上に、耐久力向上の『硬化』や、滑りやすくする『滑化』の特性を同時に付与したりもしていた。(妖さんより) |
・我が躯は鳥の如く:高速(dir d litwing:et) | エルネスタ・ディートリッヒ、ヴァレリア・フォースター |
通常の飛翔魔法に独自にアレンジを加えた、エルネスタ式の飛翔魔法。 火焔魔法の術式を組み込んであり、杖の後ろから炎をアフターバーナーの要領で噴射しながら空を飛ぶ。 通常のそれをはるかに上回る速度で飛ぶことができるが、その分だけ、よりコントロールが困難になっている。(妖さんより) |
・雷矢(arrtni) | ヴァレリア・フォースター、マグダラなど |
ゴルトロックで行使される、魔法使いたちの使う破壊魔法の一つ。 詠唱とともに、矢の形をした数本の電撃の塊を相手に飛ばす。 詠唱の最後に『一斉射撃(vol)』と付け加えることで、より術の規模を拡大し、大勢を狙ったバージョンに変更可能。 破壊魔法の中でも一番初めに覚えなければならない『基本中の基本』の魔法であり、これを自在に操れるようになって ようやく中級魔法習得への道が開ける。その魔法としてのポジションゆえに殺傷力はそれほど高いほうではなく 顔面などに当てて、その刺さったときの痛覚や痺れで相手の戦闘力を奪い、怯ませるのが主な使われ方なのだが、 マグダラの場合はそもそもの魔力が桁外れなためか、放った雷の矢は対象の顔面を『物理的に』貫き、破壊していた。(妖さんより) |
・“灼熱の竜息(ドラゴンブレス)” | ランド・フォルテンマイヤー、シド・フォルテンマイヤー、セルマ・フォルテンマイヤー |
竜の力をその身に宿し、竜に変身できる種族・ドラゴニュート特有の技。 竜の口から吐き出す炎の奔流を相手に叩きつけ、焼き尽くす。 中でも30mクラスの巨大な竜に変身できる先祖帰り・ファーヴニルであり、古の八英雄の力を受け継いでいるランドとその実子であるシド、そしてランドの養女でありランドの力を継承することとなったセルマが使用する。 通常のドラゴニュートは変身してもせいぜい2〜3mであり、ブレスもそれに見合った火の玉がせいぜいなのだが、ランドとシドはファーヴニルであり、英雄の末裔としての補正も存在しているため、威力もそれに比例して、某怪獣のプラズマ熱線のような熱量と大きさになっている。 セルマは竜に完全変身できない欠落者だが、ランドから受け継いだ英雄としての力と、フォルテンマイヤー家に伝わる宝剣『クラギナ』と、背に生やす翼を媒介に、シドのブレスと互角のブレスを剣から撃ち出すことが出来る。 また、セルマルート最終戦ではこのブレスのエネルギーを放射するのではなく剣に纏わせ、剣の破壊力を大幅に引き上げ、レイスの再生速度を大きく上回る破壊速度で押し勝つことに成功した。 |
・“銃領支配(タスキム)” | ギュスターヴ&グリーグ・ドゥーリ・ジャルガ |
篭手型の“朽ち果てし神の戦器(エメス・トラブラム)”である“八つ裂き喰らい狂う牙(グリーグ・ドゥーリ・ジャルガ)”が、 契約者となった聖導評議会幹部・ギュスターヴの精神を元に発動する能力。 装着者であるギュスターヴ自身と、その周辺の空間一帯を赤く染め上げ、その空間内に存在する『銃弾』を 支配下に置き、ギュスターヴの意のままに操ることを可能にする。 この領域に入った銃弾は、ギュスターヴを狙うものであればその威力を減殺させられ、ギュスターヴが発射するものであれば 逆にその威力は増幅され、その上一発一発の軌道も全てギュスターヴの思いのままであり、発射した弾丸をその領域内で 『待機』させることもできる。その支配力は対象が魔銃の弾丸であっても有効であり、ベイルの“グール”や ルダの“アクエリアス”ですら、この領域を乗り越えることは適わず、彼に届く前に力尽きて落下させられた。 もともとこの能力は、『ジャルガの契約者の精神に強い影響を与えた象徴的存在』に対して『絶対的な支配力』を授けるという 能力であり、銃職人だったギュスターヴにとってはそれが『銃』であったがための能力であるため、ギュスターヴ以外の者が このジャルガのシステムを発動させても、決してギュスターヴの“銃領支配”にはなりえない。 また、これによって発生する赤い領域はその性質上、『弾丸でないもの』に対しては全く効果がない。 作中ヴァレリアルートでもリックとアルフレッドの銃撃をほぼ完全に防いでいたが、空間そのものを崩壊させる“斑影”を 防ぐことは適わず、展開した領域ごと食い破られてしまった。(妖さんより) |
・“斑影(ギリン・ヤガ)” | リック・アロースミス&ベイル・ハウター&ルダ・グレフィンド ハスフォード・アロースミス&ベイル・ハウター&ルダ・グレフィンド リック・アロースミス&ベイル・ハウター&アルフレッド・アロースミス&ルダ・グレフィンド |
かつてリックとアルフレッドの父、ハスフォード・アロースミスが暗殺者時代に編み出した、最強を誇った魔技。 両手に握ったベイルの“グール”とルダの“アクエリアス”を同時発動の上で共鳴させ、 二挺の白と黒のエネルギーを絡みつかせた状態で同時発射するというもの。 その二弾一組で螺旋を描きながら飛ぶ弾丸は、その通過する空間を崩壊させながら相手に向かうため、 いかなる防御や結界などによる支配力も、この銃弾の前にはただ食い荒らされるのみである。 作中ヴァレリアルートでは、リックがこの技で、ギュスターヴの“朽ち果てし神の戦器”ことグリーグ・ドゥーリ・ジャルガの “銃領支配”の赤い領域を撃ち破り、ギュスターヴを撃ち抜いて勝利した。 また、あやかしびととのクロスオーバー作品『クロノベルト』のとある分岐においては、リックとアルフレッドが それぞれ顕現させた“カットスロート”と“ファンタズム”による同時攻撃でこの技を発動させ、 混沌都市の世界法則を司っていた“クロノベルト”を、それを取り込んでいたレギオンごと消滅させてしまった。(妖さんより) |